クリスマスイブの12月24日は仕事。
何時もより、少し遅くまで仕事した。
何時もより、少し疲れた。子供達が大きくなった独り身のおばさんにとってのクリスマスイブは、日常と変わらない日であるという事を、私は、自分に言い聞かせていた。
思えば、クリスマスに良い思い出は…、無いなぁ(^_^;)。
そんな事を思いながら、最寄りの駅までの道のりを歩いていると何時もより人が少なく感じる。そうだった、今日はクリスマスイブだ。早々に仕事を切り上げて帰宅していた人が多かったのかもしれない。
自宅までの通勤電車は、一度乗り換えなければならない。都心のど真ん中の駅での乗り換えは、乗り換え途中に少しばかりお店がある。
クリスマスイブの夜なのに何も無いなんて…。と、大きくなった息子であるのに何だか申し訳ないと思い、ケーキとシュークリームを買った。
保冷剤を付けてもらい、足早に帰宅しようと自宅に向う路線のホームに着いたら、まさかの、電車と自動車の事故の影響でダイヤが大幅に変わっていた。地下鉄が乗り上げている私鉄沿線の向こうでの事故の影響で、私鉄は運転停止していた。
何とか地下鉄が走れば最寄り駅には帰れると、寸分の願いを思いながら山手線のターミナル駅で折り返しとなった地下鉄に乗り、又、乗り換えをして、何とか自宅の一駅手前の路線が交差する駅まで帰ってくることが出来たが、その駅のホームは想像を上回る人で溢れかえっていた。
溢れかえっている人々は、皆、クリスマスイブの夜にこんな出来事に合う事を予想するはずも無く、早く帰りたい日に限っての帰れない様に困惑していた。勿論、私もその中の一人。
既に沢山の人が乗って入ってきた電車、開く扉、ホームに溢れかえった人々が電車に乗り込んでいくが、とてもホームにいる人々はの数は減りそうにも無い。直ぐに次の電車が来る事を放送されているが、何時になったら自分が乗れるかと途方に暮れた。
一駅だし、歩いて帰ろう。
頭の中に歌が流れた。
走る街を見下ろして のんびり雲が泳いでいく 僕は歩いて帰ろう 歩いて 帰ろう。
何だか少し元気が出てきた。
一駅前から自宅に歩いて戻る道は、とても懐かしい道。子供たちが通っていた幼稚園への道でもあったから。幼稚園児であった子供たちを、可愛かったなぁと思い出す。そして、幼稚園児であった息子たちに対して母親の自分を思い出す。至らない母親であった事しか出てこない。もっと色々な事をすればよかったなぁと反省する。
そんなことを感じながら歩き進むと、都市計画で新しく作ろうとされている道路にでた。
この道路は都心環状6号線、首都高山手トンネルが地下を走る山手通りから、環状7号線を貫き、環状8号線から新大宮バイパス(国道17号)と川越街道(国道254号)へ、一直線繋がる道路であり、住宅街のど真ん中を通過している。
なかなか工事が進んでいなかった区間があったが、この数年でかなり用地買収が進んできている様で、歩行者のみ歩ける道路が出来ていた。この都市計画の道路が通る場所には子供たちが通った小学校がすぐ近くにあるとても懐かしい地域。ひしめき合って家が建つ住宅街にとても広い道路が通ったのかと、改めて、都市計画のすごさを感じた。
今までの街の景色、住宅街を感じつつ、広い道路が通れる敷地。作られる途中の道路の風景をみて、今でしか見ることが出来ない変わりゆく景色だと思い、感慨深かった。
おばさんになれば、クリスマスは日常の1日であり、それで良い。
しかし、今年は思いがけなく良いクリスマスイブの夜になった。
慣れしたんだ街並みが移り行く
今でしか観れない街並みを観ることが出来た。